体制と体勢と態勢と大勢の違い

組織や人に関する言葉に「体制」や「体勢」、「態勢」、「大勢」があります。どれも「たいせい」と読む同音異義語ですが、それぞの意味は大きく異なります。また、いざ書く(キーボードで打つ)となると、どういう漢字だったかと惑うこともあるのではないでしょうか?

ここでは、意外と知っているようでいて知らない、「体制と体勢と態勢と大勢の違い」について、簡単にまとめてみました。

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体制の意味

体制は、ある原理によって秩序づけられている、国家や社会、団体、企業などの組織の仕組みや成り立ち、統一的に組織されて一つの全体を形づくっている状態、その時々の社会を支配する権力などをいいます。これは、世間一般において、幅広く使われる用語で、また資本主義体制や民主主義体制、戦時体制、経営体制、管理体制、サポート体制など複合語でもよく用いられます。

体勢の意味

体勢は、体(からだ)の構えや姿勢のことをいいます。これは、何かをしようとする時の体のかまえであり、日常的には、スポーツなどの報道でよく見かけます。例えば、「苦しい体勢から逆転の小手投げを決めた」や「変化球で体勢を崩されながら我慢して中前に運んだ」というように使われます。

態勢の意味

態勢は、ある物事に対する身構えや状態、事態に対応するための準備ができている状態のことをいいます。これは、世間一般において、幅広く使われる用語で、例えば、「万全の態勢で臨む」や「受け入れ態勢を整える」、「24時間態勢を取る」というように使われます。また、警戒態勢や輸送態勢、協力態勢、制作態勢、独走態勢、臨戦態勢など複合語でもよく用いられます。

大勢の意味

大勢は、「たいせい」と読む時は、世の中のなりゆきや大体の状況、大きな権勢のことを意味し、例えば、「試合の大勢が決まる」や「大勢に影響はない」、「大勢に従う」というように使われます。また、「おおぜい」と読む時は、多くの人や多人数のことをいい、例えば、「大勢の人で賑わっている」や「大勢の注目を集める」というように使われます。

体制と体勢と態勢と大勢の違い

最後に「体制」と「体勢」と「態勢」と「大勢」の違いをざっくりとまとめると、以下のようになります。

●体制

組織の仕組みや成り立ち、統一的に組織されて一つの全体を形づくっている状態、その時々の社会を支配する権力。

●体勢

体(からだ)の構えや姿勢。

●態勢

ある物事に対する身構えや状態。

●大勢

世の中のなりゆき、大体の状況。

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