根本的と抜本的の違い
日常のビジネスシーンにおいて、「根本的な問題」や「根本的な解決」、「抜本的な対策」、「抜本的な改革」といった言い回しを耳にすることがあります。これらの中に出てくる「根本的」と「抜本的」は、一字違いの言葉ですが、それぞれで意味が異なっています。
ここでは、似た響きのする「根本的」と「抜本的」について、その意味や違いを簡単にまとめてみました。
目次:コンテンツ構成
根本的の意味
根本的(こんぽんてき)は、事柄の根本にかかわるさまや基本的であるさまをいいます。これは、物事が成り立っている基礎になるものを意味する「根本(こんぽん)」と、名詞等に付いて形容動詞の語幹をつくる「的(てき)」からなる用語で、物事がそれによって成り立つ大元に及んでいるさまを意味します。
<根本的の用例>
・そもそも根本的な問題点は何なのか
・洗濯の仕方が根本的に間違っているから匂う
・仕事へのアプローチに根本的な改革が必要になる
抜本的の意味
抜本的(ばっぽんてき)は、根本に遡るさまや根本に立ち戻って是正するさまをいいます。これは、物事の根本の原因を取り除くことを意味する「抜本(ばっぽん)」と、名詞等に付いて形容動詞の語幹をつくる「的(てき)」からなる用語で、物事の根本にもどって全体を考えるさまを意味します。
<抜本的の用例>
・顧客対応を抜本的に改善する必要がある
・営業態勢の抜本的な見直しに踏み切る方針だ
・国家レベルの危機事案であり、抜本的な対策を国に求める
根本的と抜本的の違い
最後に「根本的」と「抜本的」の違いをざっくりとまとめると、以下のようになります。
・根本的:事柄の根本にかかわるさま
・抜本的:根本に立ち戻って是正するさま
◎根本的と抜本的では、日常的には、根本的の方が広く使われている。
◎どちらも根本にかかわるという点では同じであるが、「抜本的」が是正する意味が含まれるのに対して、「根本的」には是正する意味が含まれない。
◎どちらも組み合せる用語に「解決」や「改革」などはよく使われるが、一方で是正の有無の違いから、例えば、「根本的な問題」や「根本的な誤り」とは言っても、「抜本的な問題」や「抜本的な誤り」とは言わない。