能率と効率の違い

「能率が悪い」や「効率がいい」など、普段、仕事をする中で、「能率」や「効率」という言葉を何気に使っています。どちらも「率」がつき、意味合いが似ている感じがしますが、一体どこが違うのでしょうか? また、どのように使い分ければよいのでしょうか?

ここでは、意外と知っているようでいて知らない、「能率と効率の違い」について、簡単にまとめてみました。

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能率の意味

能率(のうりつ)は、一定時間内にできる仕事の割合や仕事のはかどり具合をいいます。これは、物事を成し遂げる力を意味する「能(のう)」と、全体に対する部分の割合を意味する「率(りつ)」からなる用語で、また工場などの生産現場では、「機械能率」や「製造能率」、「労働能率」などが測定されます。

例えば、「1時間で製品を10個生産できる体制」から「1時間で製品を15個生産できる体制」になった場合、一定の時間を基準に絶対的な仕事量が増えていることから「能率が上がった」と言えます。

<能率の用例>

・無理に睡眠時間を削ると能率が悪くなる
・30分以内の昼寝で作業能率が上がるとも言われる
・競争に勝つには能率を飛躍的に向上させなくてはいけない

効率の意味

効率(こうりつ)は、 使った労力やコストに対する、得られた成果(結果)の割合をいいます。これは、力を発揮した結果を意味する「効(こう)」と、全体に対する部分の割合を意味する「率(りつ)」からなる用語で、元々は、機械によってなされた仕事の量と消費された力との比率を意味し、それが転じたものです。

例えば、「100万円の費用で120万円の売上」から「50万円の費用で100万円の売上」となった場合、絶対的な売上(成果)は減少していますが、一方で相対的に見ると、少ない費用(コスト)で多くの成果を得ていることから「効率が良くなった」と言えます。

<効率の用例>

・走塁ミスがあり11安打2点と効率が悪かった
・拠点の効率化などでコスト体質を強めていく
・仕事の効率を高めるため、会議時間を短縮する

能率と効率の違い

最後に「能率」と「効率」の違いをざっくりとまとめると、以下のようになります。

◎「能率」は一定の期間(時間内)でこなせる仕事の絶対量を表すのに対して、「効率」は仕事の成果とそれに要するコストとの相対的な比較を表す傾向がある。

◎「能率」は時間を基準に見ることが多いのに対して、「効率」は労力やコストを基準に見ることが多い。

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