事実と真実の違い

ビジネスにおいても、プライベートにおいても、「事実に反する」や「思わぬ事実」、「真実でない」、「どれが真実」といった言い回しを耳にすることがあります。これらの中に出てくる「事実」と「真実」は、何らかの事柄を指す点では同じですが、一方でどこが違うのでしょうか?

ここでは、知っているようでいて意外と知らない、「事実と真実の違い」について、簡単にまとめてみました。

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事実の意味と用法

事実(じじつ)は、実際に起こった事柄や現実に存在する事柄をいいます。これは、ことがらやできごとを意味する「事(じ)」と、本当のことがらを意味する「実(じつ)」からなる用語で、英語では「fact(ファクト)」が該当します。

一般に事実は、客観的なものであり、誰が見てもそうとしか捉えられない事柄を指し、それゆえ、事実は常に一つしかありません。

<事実の用例>

・事実は小説よりも奇なり
・これについては、事実とは異なります
・事実を確認する資料が存在しないので分からない
・「結果が全てです」と敗戦の事実を重く受け止めた
・選挙を前に事実を隠蔽しようとする姿は国民を愚弄している

真実の意味と用法

真実(しんじつ)は、嘘や偽りのないこと、本当のことをいいます。これは、うそのないことや本当を意味する「真(しん)」と、本当のことがらを意味する「実(じつ)」からなる用語で、英語では「truth(トゥルース)」が該当します。

一般に真実は、主観的なものであり、起こった出来事や存在する事柄に関係する人が嘘や偽りのないものと解釈した事柄を指し、通常、直観や推測などによって形成されるため、事実と真実が一致しないこともよくあります。また、関係者が複数いる場合、一人ひとりモノの見方が異なるため、真実が複数あることもあります(時として真実は一つとは限らず)。

<真実の用例>

・事実は一つしかないが、真実は人の数だけある
・良い結果をもたらす嘘は、不幸をもたらす真実よりいい
・私が傷ついたとしても、ありのままの真実を述べる人だった
・愛する者に欺かれている方が、時として真実を知らされるより幸福である
・私は不幸にも知っている。時には嘘による外は語られぬ真実もあることを

事実と真実の違い

最後に「事実」と「真実」の違いをざっくりとまとめると、以下のようになります。

◎「事実」は、実際に起こった事柄や現実に存在する事柄をいうのに対して、「真実」は、嘘や偽りのないこと、本当のことをいう。なお、「真実」の嘘や偽りのないというのは、当事者の解釈面であり、時として勘違いすることもある。

◎「事実」は、客観的なものであり、一つしかないのに対して、「真実」は、主観的なものであり、一つとは限らない。また、「事実」と「真実」が一致しないこともよくある。

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