了解と了承と承知と承諾の違い
日常的なコミュニケーションにおいて、相手から何か言われて、分かったり、受け入れたりする場合に、了解や了承、承知、承諾といった言葉を使うことがあります。これらは、了や承などが付き、似たような感じがしますが、一方でどこが違うのでしょうか?
ここでは、知っているようでいて意外と知らない、「了解と了承と承知と承諾の違い」について、簡単にまとめてみました。
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了解の意味と用法
了解(りょうかい)は、物事の内容や事情を理解して承認することをいいます。これは、もっともだと思うことを意味する「了(りょう)」と、物事の筋道や意味がはっきり捉えられることを意味する「解(かい)」からなる用語で、日常的には、相手の考えや事情を分かった上で、それを認める場合に使われます。
なお、似たような用語である「理解(りかい)」は、承認という概念は特に含まれず、意味や意図を正しく分かるといった意味になっています。
<了解の用例>
・それはみんな了解している
・政府は概算要求基準を閣議で了解した
・割引しないことが加盟店との間の暗黙の了解になっている
了承の意味と用法
了承(りょうしょう)は、「諒承」や「領承」とも表記され、事情をくんで納得すること、承知する(受け入れる)ことをいいます。これは、もっともだと思うことを意味する「了(りょう)」と、相手の意向を受け入れることを意味する「承(しょう)」からなる用語で、日常的には、相手に対して使われることが多いです。
<了承の用例>
・まだ、部長の了承を得ていない
・先般の件、ご了承いただけますでしょうか
・いったん本人は了承したものの、その後、態度を変えた
承知の意味と用法
承知(しょうち)は、知っていること、分かっていること、また依頼・要求等を聞き入れること、承諾することをいいます。これは、相手の意向を受け入れることを意味する「承(しょう)」と、対象を心に感じ取ることを意味する「知(ち)」からなる用語で、日常的には、自分が当事者となって使われることが多いです。
<承知の用例>
・それは重々承知しています
・この問題については承知しております
・様々なご意見やご批判があるのは承知のうえ
承諾の意味と用法
承諾(しょうだく)は、相手の意見や希望、要求などを聞いて、受け入れることをいいます。これは、相手の意向を受け入れることを意味する「承(しょう)」と、 よろしいと承知することを意味する「諾(だく)」からなる用語で、日常的には、個人間で使われるほか、会社同士の交渉や契約などビジネスシーンで使われることも多いです。
<承諾の用例>
・社長と面談し、協賛の承諾を得た
・男性が承諾すれば、お見合い開始となる
・本部の承諾を得ずに時短営業をしたことが問題になった
了解と了承と承知と承諾の違い
最後に「了解」と「了承」と「承知」と「承諾」の違いをざっくりとまとめると、以下のようになります。
◎「了解」は、分かった(理解)という点に重心があるのに対して、「了承」は、分かった上で受け入れる(承認)という部分に重心がある。
◎「了承」は、相手に対して使われることが多いのに対して、「承知」は、自分が当事者となって使われることが多い。
◎「承知」は、分かっているという部分に重心があるのに対して、「承諾」は、受け入れるという部分に重心がある。
◎「承諾」は、ビジネスシーンにおいて、オフィシャルの返答で使われる場合、それなりに重みがある点で他の用語と異なる。