進歩と進捗と進度の違い
ビジネスにおいても、プライベートにおいても、「進歩を遂げる」や「進捗状況」、「進度が速い」といった言葉を耳にすることがあります。これらは、どれも「進(しん)」が入る言葉で、似たような感じがしますが、一方でどこが違うのでしょうか?
ここでは、知っているようでいて意外と知らない、「進歩と進捗と進度の違い」について、簡単にまとめてみました。
目次:コンテンツ構成
進歩の意味と用法
進歩(しんぽ)は、進んで行くこと、物事が次第により良い方や望ましい方へ進んでいくことをいいます。これは、前に進むや高い等級・段階に上がるを意味する「進(しん)」と、物事の進み方や程度・段階を意味する「歩(ほ)」からなる用語で、日常的には、物事が時の経過と共に、より良い方向へ発展・前進していく場合に使われます。
<進歩の用例>
・着実に進歩の跡が見られる
・医学が進歩し、ガンに対しても様々な治療法がある
・観測技術の進歩により多くの小惑星が見つかるようになった
進捗の意味と用法
進捗(しんちょく)は、物事がはかどることをいいます。これは、前にすすむを意味する「進(しん)」と、速やかに進行するを意味する「捗(ちょく)」からなる用語で、日常的には、仕事や学習、工事、事業など、目標のある何らかの作業に対して使われます。
<進捗の用例>
・復旧の進捗と職員の業務負担を見ながら対応を考える
・設計図どおりに工事が進捗してるかどうかをチェックする
・通期の目標に対する進捗率は売上高で24%、営業利益で25%
進度の意味と用法
進度(しんど)は、物事の進んでいく度合をいいます。これは、前にすすむを意味する「進(しん)」と、程合いを意味する「度(ど)」からなる用語で、日常的には、物事の進行の程度を述べる場合に使われます。
<進度の用例>
・進度が速いので途中からの入塾は難しいかもしれない
・稲作は生育進度に合わせた深水管理に努める必要がある
・短時間学習で無理なく授業の進度に合わせた予習復習ができる
進歩と進捗と進度の違い
最後に「進歩」と「進捗」と「進度」の違いをざっくりとまとめると、以下のようになります。
・進歩:物事が良い方へ進んでいくこと
・進捗:物事がはかどること
・進度:物事の進んでいく度合
◎「進歩」は、決まった目標がなく、いつまでも良い方向を目指すものなのに対して、「進捗」は、決まった目標(方向)に対して進むものである。なお、「進度」には、そもそも方向という概念がない。
◎「進歩」と「進度」は、数値と結び付けられて使われることがないのに対して、「進捗」は、進捗率や進捗状況などで数値と結び付けられて使われることがある。