返事と返答と応答と回答の違い
ビジネスシーンにおいて、「ご返事お待ちしております」や「ご返答ありがとうございます」、「質疑応答に入ります」、「ご回答をお願いします」といった言い回しを使うことがあります。これらの中に出てくる「返事」や「返答」、「応答」、「回答」は、どれも問いかけに対して答えるという意味がありますが、一方でどこが違うのでしょうか?
ここでは、知っているようでいて意外と知らない「返事と返答と応答と回答の違い」について、簡単にまとめてみました。
目次:コンテンツ構成
返事の意味と用法
返事(へんじ)は、呼びかけに対して答えることや返信・返書をいいます。これは、かえすを意味する「返(へん)」と、ことがらを意味する「事(じ)」からなる用語で、通常、呼びかけや問いかけに対する答えから、手紙やメール、SNS、質問、依頼、招待などへの答えまで広く用いられます。
<返事の用例>
・○○と聞いて二つ返事でお返事しました
・話しかけられても気のない返事をしてしまう
・意外と誘ってみると、いい返事がもらえるかもしれない
返答の意味と用法
返答(へんとう)は、問いや呼びかけなどに対して答えることやその答えをいいます。これは、かえすを意味する「返(へん)」と、質問などに返事をする「答(とう)」からなる用語で、通常、質問や要求などに対する答えを、相手に返してほしい時や自分が返す時に用いられます。
<返答の用例>
・ご返答させていただきます
・詰問への返答に窮し、押し黙る場面もあった
・メールで問い合わせたが、現在までに返答はなかった
応答の意味と用法
応答(おうとう)は、問いかけや呼びかけに答えることや受け答えをいいます。これは、問いや呼びかけにこたえることを意味する「応(おう)」と、質問等に返事をすることを意味する「答(とう)」からなる用語で、通常、人との受け答えに対して用いられるほか、「サーバが応答を停止した」など人以外にも用いられます。
<応答の用例>
・最後に記者向けの質疑応答が行われた
・アプリが突然「応答なし」の状態になった
・市民からの問い合わせに自動で応答するシステム
回答の意味と用法
回答(かいとう)は、質問や要求などに答えることやその答えをいいます。これは、戻すや返すを意味する「回(かい)」と、質問等に返事をすることを意味する「答(とう)」からなる用語で、通常、相手からの質問等に対して、具体的な答え(知りたい内容)を返す場合に用いられます。
<回答の用例>
・問い合わせに回答する
・アンケートに回答した
・納得できる回答が得られなかった
返事と返答と応答と回答の違い
最後に「返事」と「返答」と「応答」と「回答」の違いをざっくりとまとめると、以下のようになります。
・返事:呼びかけに対して答えること
・返答:問いや呼びかけなどに対して答えること
・応答:問いかけや呼びかけに答えること
・回答:質問や要求などに答えること
◎「返事」が問いかけや呼びかけ、質問、要求、招待など広く用いられるのに対して、「返答」は質問や要求などが中心で、また改まった感じが強い。そのため、仕事などでは、返答が用いられることが多い。
◎どの用語も答えることは同じであるが、具体的な答えを知りたい場合は「回答」が使われることが多い。特にビジネスシーンにおいては、相手に具体的な質問や要望などを述べて、具体的な答えを速やかにもらう際に使われる。
◎どの用語も人に使われることは同じであるが、「応答」だけ、機械や装置、システム、ソフトウェアなど人以外にも使われる。