配布と配付の違い
誰かに何かを配るという言葉には、「配布」と「配付」があります。どちらも「はいふ」と読む同音異義語ですが、どこがどう違うのでしょうか? 通常、話し言葉で使う際には、両語を指すので間違えませんが、一方で書き言葉で使う際には、間違えることがあります。
ここでは、似たような言葉である「配布」と「配付」について、その意味や用法、違いを簡単にまとめてみました。
目次:コンテンツ構成
配布の意味と用法
配布は、広く行き渡るように配ることをいいます。これは、くばるを意味する「配(はい)」と、広く行き渡らせるを意味する「布(ふ)」からなる用語で、通常、不特定の大勢の人々に配る場合に用いられます。
<配布の用例>
・駅前で店のちらしを配布する
・申請書類を保護者に急いで配布した
・予定枚数に達し次第、整理券の配布は終了となる
配付の意味と用法
配付は、一人一人の手に渡るように配ることをいいます。これは、くばるを意味する「配(はい)」と、物を手渡すやそこまで持っていくを意味する「付(ふ)」からなる用語で、通常、特定の人々(関係者)に配る場合に用いられます。
<配付の用例>
・会議の出席者に資料を配付する
・配付資料の一部をウェブサイトに掲載した
・入居前に配付される管理規約や重要事項説明書
配布と配付の違い
最後に「配布」と「配付」の違いをざっくりとまとめると、以下のようになります。
・配布:広く行き渡るように配る
・配付:一人一人の手に渡るように配る
◎「配布」は、あるモノを不特定の大勢の人々に配る場合に用いられるの対して、「配付」は、あるモノを特定の人々に配る場合に用いられる。
◎政府の法令用語改正要領では、「配布」に統一されており、公用文(国や地方公共団体が出す文書や法令などに用いる文章)では、原則として「配布」が用いられる(交付税や譲与税配付金特別会計など一部例外あり)。
◎新聞社や出版社でも「配布」が使われることが多い。実際、ネットでニュースを検索してみると、配付より配布の方が断然多い。