積極的と自発的と主体的と能動的の違い

人が何か行動する際に、自分から進んで行う場合もあれば、そうでない場合もあります。物事はつまるところ、行動しなければ始まらず、どのような姿勢(心構え)で臨むかで未来(結果)は異なり、それゆえ、物事を行う上での心構えは大切ではないでしょうか?

ここでは、人生に前向きに対応する心構えである、「積極的」と「自発的」と「主体的」と「能動的」について、その意味や違いを簡単にまとめてみました。

目次:コンテンツ構成

「積極的」の意味

積極的(せっきょくてき)は、物事に対し、自分から進んで働きかけるさまをいいます。これは、何らかの物事において、ある人が、肯定的で、能動的な様子を表す場合に用いられ、また積極的自由や積極的学習、積極的治療、積極的平和、積極的防御など複合語でも用いられます。なお、積極的の反対語は、「消極的(しょうきょくてき)」です。

<積極的の用例>

・チャンスだったので積極的にいった
・デフレ脱却のために積極的に財政出動する
・交流会では、積極的にコミュニケーションを図った

「自発的」の意味

自発的(じはつてき)は、物事を自分から進んで行うさまをいいます。これは、他者からの働きかけによらず、自ら進んで行う様子を表す場合に用いられ、また自発的活動や自発的行動、自発的避難、自発的失業、自発的離職率など複合語でも用いられます。

<自発的の用例>

・選手が自発的に動かなければ意味がない
・生徒の自主性、自発的な参加により行われるべきだ
・災害発生時に自発的な寄付などを通じて迅速な復旧を支援した

「主体的」の意味

主体的(しゅたいてき)は、自分の意志や判断に基づいて行動するさまをいいます。これは、他者に強制されたり、盲従したり、追随したりしないで、自らの意志や判断により、何かを行う様子を表す場合に用いられ、また主体的判断や主体的外交、主体的学習、主体的関与など複合語でも用いられます。

<主体的の用例>

・本人が主体的に選択することが大切である
・子育てを主体的に取り組む男性が増えてきた
・自由な人間が主体的に行動することで世界は変革できる

「能動的」の意味

能動的(のうどうてき)は、自分から他者に働きかけるさまをいいます。これは、何らかの物事において、自らが他に作用を及ぼす様子を表す場合に用いられ、また能動的理性や能動的学習、能動的行動、能動的恐怖、能動的触覚など複合語でも用いられます。なお、能動的の反対語は、「受動的(じゅどうてき)」です。

<能動的の用例>

・何でも能動的に動かないといけないと思う
・時には能動的に発信しないと伝わらないことがある
・IT部門が開発責任を負い、能動的に案件を創出していく

「積極的」と「自発的」と「主体的」と「能動的」の違い

最後に「積極的」と「自発的」と「主体的」と「能動的」の違いをざっくりとまとめると、以下のようになります。

・積極的:自分から進んで働きかけるさま
・自発的:自分から進んで行うさま
・主体的:自分の意志や判断に基づいて行動するさま
・能動的:自分から他者に働きかけるさま

◎「積極的」と「能動的」には、働きかけるという要素があるのに対して、「自発的」と「主体的」には、働きかけるという要素がない。

◎「積極的」の反対語は「消極的」、「能動的」の反対語は「受動的」であるのに対して、「自発的」と「主体的」には反対語がない。

分類タグ