青田買いと青田刈りの違い
企業において、優秀な人材(新卒社員)を確保(採用)することは、経営上の大きな課題であり、毎年、就職シーズンが本格化する前などに、「青田買い」や「青田刈り」といった言葉を耳にすることがあります。どちらも「青田(あおた)」が入り、同じような意味で使われていますが、どこがどう違うのでしょうか?
ここでは、知っているようでいて意外と知らない、「青田買いと青田刈りの違い」について、簡単にまとめてみました。
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「青田買い」の意味
青田買い(あおたがい)は、企業が人材確保のために、卒業予定の学生(新卒学生)の採用を早くから内定することをいいます。これは、元々は、稲の収穫前(まだ収穫できない青い穂の時)に、その田の収穫量を見越して先買いすることを意味しますが、それが転じて、優秀な新卒学生の確保を図るために、他社に先駆けて採用活動を実施することを意味します。
ちなみに、本用語(青田買い)は、「卒業前の学生」を「実る前の稲」に、「能力」を「収穫量」に、また「買う」を「採用する」にたとえています。
「青田刈り」の意味
青田刈り(あおたがり)は、「青田買い」の誤用ですが、あまりに誤用が多いので、「青田買い」と同じ意味で、世間に通用しています。これは、元々は、青い穂が実っている収穫前の田から、穂を先に刈り取ってしまうという意味で、その昔(戦国時代)、敵方に兵糧を調達させないように穂が青い内に稲を刈り取ってしまい、敵方の戦力を落とすという戦術が語源だそうです。
ちなみに、本用語(青田刈り)を本来の意味通りに解釈した場合、人材(新卒学生)を優劣問わず、先に採用するという意味になるので、「青田買い」とは意味が全く異なります。
「青田買い」と「青田刈り」の違い
最後に「青田買い」と「青田刈り」の違いをざっくりとまとめると、以下のようになります。
◎「青田買い」と「青田刈り」は、優秀な学生の採用を早い時期に決めるという同じ意味で使われるが、正しい言い回しは「青田買い」である。
◎「青田買い」と「青田刈り」は、元々(本来)の意味が異なり、また「青田刈り」を本来の意味で解釈した場合、人材を優劣問わず、先に採用するという意味になってしまう。