誕生と生誕と出生と降誕の違い
日常生活の中で、「第一子が誕生」や「○○の生誕地」、「出生の秘密」、「キリストの降誕」といった言い回しを聞くことがあります。これらの中に出てくる「誕生」や「生誕」、「出生」、「降誕」は、どれも「生まれる」という意味合いがありますが、一方でどこが違うのでしょうか?
ここでは、知っているようでいて意外と知らない、「誕生と生誕と出生と降誕の違い」について、簡単にまとめてみました。
目次:コンテンツ構成
誕生の意味と用法
誕生(たんじょう)は、人が生まれること、物事や状態などが新しくできること、生まれて一回目の誕生日をいいます。これは、何かが生まれることを意味し、通常、人だけでなく、動物や組織、建物、場所、モノ、サービス、状態などに対して幅広く使われます。また、人に関しては、生きている人にも、亡くなっている人にも使われます。なお、本用語は、誕生日や誕生会、誕生秘話、誕生祝い、スター誕生など複合語でもよく用いられます。
生誕の意味と用法
生誕(せいたん)は、人が生まれることをいいます。これは、「誕生」とは異なり、人に対してのみ使われ、また「ブッダの誕生」や「エジソンの生誕地」と言うように、主に偉人や聖人などに対して使われることが多いです。なお、本用語は、「生誕地」や「生誕祭」、「生誕○○周年」など複合語でも用いられます。
出生の意味と用法
出生(しゅっしょう)は、人や動植物が生まれること、ある家柄・境遇・場所の生まれであることをいいます。これは、何かが生まれることを意味し、通常、人だけでなく、動物や植物などに対しても使われます。なお、「出生統計」や「出生数」、「出生率」、「出生日」、「出生前診断」、「出生証明書」など複合語でもよく用いられます。
降誕の意味と用法
降誕(こうたん)は、神仏や聖人、偉人、帝王、貴人などが生まれることをいいます。これは、「キリストの降誕」や「ムハンマドの降誕」など、歴史的に神聖視される人物に対して使われ、また聖人や偉人などの誕生日を祝う祭典を「降誕祭」と言います。
誕生と生誕と出生と降誕の違い
最後に「誕生」と「生誕」と「出生」と「降誕」の違いをざっくりとまとめると、以下のようになります。
・誕生:人や物事などが生まれること
・生誕:人が生まれること
・出生:人や動植物が生まれること
・降誕:神仏や聖人などが生まれること
◎「生誕」は、人のみに対して使われるのに対して、「誕生」と「出生」と「降誕」は、人以外にも使われる。
◎「誕生」は、生きている人にも、亡くなっている人にも使われるのに対して、「生誕」は、通常、亡くなっている偉人等に使われる。
◎「出生」は、他の用語と異なり、役所や統計などで使われる。