会社の種類を知る
起業・独立するにあたって、会社を設立する場合、どのような形態を選択するかは重要な検討事項となります。現在、日本の会社法では、「株式会社」と「持分会社」の二種類の会社類型に整理しており、株式会社が旧来(2006年4月30日まで)の株式会社と有限会社を統合したものに対して、持分会社は合名会社と合資会社、および新設の合同会社を包含したものとなっています。
ここでは、日本の会社法において、会社の種類別に基本事項をまとめてみました。なお、有限会社については、今日では設立できませんが、会社法の施行以前から存続している有限会社については、特例有限会社として存続できるようにしています。
株式会社とは何か?
株式会社は、株式を発行して株主(投資家)から資金を調達し、その代金で事業活動を行う会社をいいます。これは、構成員の地位(持ち分にあたるもの)が細分化された株式という形式をとり、株式の自由譲渡性、および構成員である株主の有限責任(株式の引受価額を限度とする有限の出資義務)などを特色とする企業形態となっています。
合同会社とは何か?
合同会社は、「日本版LLC」とも呼ばれ、持分会社の一類型で、出資者である社員全員が有限責任社員からなる会社をいいます。これは、会社法で新たに設けられた企業形態で、対内的な関係では組合に類似し、対外的な関係では株式会社に類似し、具体的には、広く定款自治が認められ、重要事項の決定は総社員の一致が原則で、また利益や権限の配分などを自由に決めることができます。
合名会社とは何か?
合名会社は、持分会社の一類型で、二人以上の無限責任社員だけからなる会社をいいます。これは、社員全員が会社の債務について債権者に対し、直接に連帯して無限の責任を負う反面、原則として、会社の業務執行権および代表権を有しています。
合資会社とは何か?
合資会社は、持分会社の一類型で、無限責任社員と有限責任社員とからなる会社をいいます。これは、会社の債務につき、債権者に対し、直接に連帯して無限の弁済責任を負う無限責任社員と、債権者に対し、直接に連帯して弁済責任を負うものの、出資額を限度とする責任しか負わない有限責任社員とで構成される、二元的組織の会社となっています。
有限会社とは何か?
有限会社は、その昔、有限会社法によって設立された、商行為その他の営利行為を目的とした会社をいいます。これは、社員がその出資額を限度とする有限責任を負うにとどまる点において、株式会社に類似する物的会社ですが、一方で設立や組織に関しては簡素化され、中小企業の経営に適していました。