合名会社とは何か?

合名会社(ごうめいがいしゃ)は、日本の会社法における持分会社の一類型で、二人以上の無限責任社員だけからなる会社をいいます。これは、社員全員が会社の債務について債権者に対し、直接に連帯して無限の責任を負う反面、原則として、会社の業務執行権および代表権を有しています。

一般に合名会社は、家族的・個人的結合による人的会社であり、通常、親子や兄弟、親族関係にある人々によって出資・設立されることが多く、小規模の経営に適した会社形態となっています。なお、合名会社の略記は「(名)」で、また銀行振込では「メ」と略されます。

※持分会社:合名会社、合資会社、合同会社の総称。現在、会社法では、企業の形態を株式会社と持分会社に分類。

合名会社の設立

合名会社の設立にあたっては、社員となろうとする者が定款を作成し、その全員がこれに署名し、または記名押印する必要があります。そして、定款の作成により社員が確定して機関も具備され、本店の所在地における設立登記をもって成立します。

なお、社員の出資については、設立時までの全額払込制はとられておらず、また財産出資の他に、労務出資や信用出資も認められています。

合名会社の特徴

・原則的に会社の所有と経営が一致している
・信頼関係が重要であり、家族経営など小規模の共同企業形態として利用されている
・無限責任を負うなど社員の責任が重く、また広く一般の投資家から出資を受けることができない
・出資は財産の他に、労務出資や信用出資も認められている
・新社員の入社、定款の変更、その他重要事項については、総社員の同意を必要とする
・会社の内部関係には、民法上の組合に関する規定が準用される