起業のリターンとリスクを見極める
ビジネスのやり方を考えた場合、「企業に勤めるケース」と「自分で独立(起業)するケース」の2つがあります。前者の企業での仕事は、大規模案件・海外向け案件等でやりがいを感じることもあるし、一方で後者の独立しての仕事は、自分の能力と裁量で大きな報酬を得られる可能性があり、どちらも一長一短があり、どちらが良いかは、その人の考え方やライフスタイルなどによって変わってきます。
そのため、ビジネス面で大事なことは、自分が納得でき、満足のいく選択をすることではないでしょうか? ここでは、企業に勤めるケースと独立(起業)するケースの2つに分けて、実際のリターン(メリット)とリスク(デメリット)について簡単にまとめてみました。
<下記のケースについて>
・ある程度若くして起業。独立当初は個人事業を想定
・年金は各人の企業勤めの経験の有無により異なる
・税金は企業形態にした場合、源泉徴収
企業勤務のリターンとリスクは?
企業勤務は、安定した収入や充実した福利厚生、多様な社内リソースなどがあり、仮に転職しても社外で通用する実力さえ備えられれば、ビジネスをする上で結構メリットは大きいです。また、社内の人間関係が悪くなければ、安心感や満足度は結構大きいです。
項目 | リターン(メリット) | リスク(デメリット) |
---|---|---|
自己実現 | 自己努力 | 企業方針、企業都合 |
収入 | 定期収入+ボーナス、安定 | 評価は上司、会社の業績に影響 |
生涯賃金 | ある程度予測可能 | 終身雇用の崩壊 |
労働・休暇 | 週休2日、年次休暇、残業代 | サービス残業 |
雇用 | 現状は安定 | 将来は不安(リストラ等) |
キャリア形成 | 自己啓発、社内教育(会社負担) | 意に沿わぬ仕事や部署配置 |
社会的信用 | 個人信用+企業信用 | - |
年金 | 基礎+厚生+(企業年金) | 年金制度の不安 |
リタイアメント | 退職金あり | 高齢時の雇用 |
健康保険 | 保障面が充実、健康診断あり | - |
雇用保険 | 失業時や疾病時の保障 | - |
労災保険 | 労災時の保障 | - |
税金 | 源泉徴収、年末調整 | 経費をほとんど落とせない |
精神面 | 所属の安定 | ストレス(業務評価、人間関係) |
転職の自由 | 自分次第 | - |
起業への道 | 自分次第 | - |
独立(起業)のリターンとリスクは?
起業(独立)は、成功するまでの道程が、一部の商才のある人を除けば、結構多難ですが、もしうまくいった場合の達成感や満足度は非常に大きいです。
項目 | リターン(メリット) | リスク(デメリット) |
---|---|---|
自己実現 | 自分次第、充足感 | ビジネスの浮き沈み |
収入 | 自分次第 | かなり不安定、ワーキングプア |
生涯賃金 | 自分次第 | 予測不可能 |
労働・休暇 | 自分次第 不定期 | 労働時間が異常に長い、休めない |
雇用 | 自分がボス | 仕事がないと収入なし |
キャリア形成 | 自分次第 | コスト負担は結構大きい |
社会的信用 | 自分次第(個人信用) | クレジットカードが作れないことも |
年金 | 基礎年金 | 自助努力、年金制度の不安 |
リタイアメント | 成功すれば豊かな引退生活 | 失敗すれば悲惨な老後 |
健康保険 | - | 充実した保障はなし |
雇用保険 | - | 加入資格なし |
労災保険 | - | 加入資格なし |
税金 | 経費をそれなりに落とせる | 確定申告(手続き面倒) |
精神面 | 束縛のない自由 | 先行きの不安、自己プレッシャー |
転職の自由 | - | 事業失敗時の転職(正社員)は困難 |
起業への道 | - | 撤退には大きな代償 |