起業を考える!
昨今、日本では、社会的気運として「起業」を奨励しようという雰囲気が高まっています。それ自体は、経済や産業などを活性化させることから評価できますが、その一方で、現在の状況は起業を奨励することのみに焦点があてられ、肝心の起業の本質やリスクについてあまり触れられていないように思います。
現実問題として、起業はそれほど甘いものでも軽いものでもなく、その人の人生に非常に大きな影響を与えるので、起業する前に、ある程度、その意味(本質)について考えることは必要ではないでしょうか? 実際のところ、いったん起業したら、もはやそんなことを考える時間はありません。
ここでは、起業する前に考えるべきポイントとして、以下の5点をピックアップしてみました。
起業の意味を理解する
起業には、メリット(リターン)だけでなく、それ以上に大きなリスクがあり、特にリスク面をよく認識しておくことが必要です。以下は、「起業の意味」を考える際の3つの視点です。
・起業のリスクについてよく認識する
・日本では失敗を許容する風土はまだできていない
・目的(理念)が起業する上での基礎となる-なぜ起業する?
起業の前に自己分析する
起業してからも、時には迷い、時には不安を覚え、時には悩むことも多いかと思います。そういった時に自分自身の原点に立ち戻り、「何のために起業したのか、どうして起業したのか?」を思い出すことは、逆境を乗り切る際に大きな力となります。
・人生を目標達成という視点で認識する
・自分自身を客観的に認識する
起業の金銭面を検討する
起業したてのスタートアップ段階では、事業からの収入がしばらく期待できなかったり、また生活していくのに必要な収入が得られなかったりすることはよくあります。そのため、起業する前に、ビジネスの金銭面だけでなく、プライベートの金銭面についても、しっかりと検討しておくことが必要です。
・ビジネス-収益性分析、資金繰り分析
・プライベート-収入期待分析、生活コスト分析
起業のリターンとリスクを見極める
ビジネスのやり方を考えた場合、「企業に勤めるケース」と「自分で独立(起業)するケース」の2つがあります。前者の企業での仕事は、大規模案件・海外向け案件等でやりがいを感じることもあるし、一方で後者の独立しての仕事は、自分の能力と裁量で大きな報酬を得られる可能性があり、どちらも一長一短があり、どちらが良いかは、その人の考え方やライフスタイルなどによって変わってきます。そのため、起業にあたっては、"自分にとってのリターンとリスク"を見極めることが大切です。
起業と開業と独立の違いは?
起業や開業、独立といった言葉は、似たような感じもしますが、実際には結構異なっています。
|起業|
何らかの事業を始めることをいう。
|開業|
新しく事業や商売を始めること、また事業や商売をしていることをいう。
|独立|
ビジネスにおいては、自分で事業を営むことをいう。